こんにちは、四国を拠点にバスフィッシングを楽しんでいる村上太一です。
今回は、ノリーズから新たに登場したラバージグ「タクジグ（TAC JIG）」について、私自身が実釣で感じた強みや使いどころを、徹底的に語っていきたいと思います。
ラバージグ＝カバー攻略、というイメージは誰しも持っていると思いますが、最近はジグストの流行で「ラバージグ使い」が増えた印象を受けます。
そんな中でリリースされたタクジグには、ただ新しいジグ、というだけではない“使いやすさ”と“実戦力”が詰まっていると思っています。
田辺哲男さん主演の釣りビジョン番組”Go for it !“
ノリーズプロスタッフの井原浩二プロにお誘いいただき、何度か同行させていただいていますが、そんな中でも最も衝撃で神回だったロケ。
地元である愛媛県今治市の玉川ダム。
このレイクのマックスサイズである58.5cmをタクジグで仕留めました。
こんなバス初めて見たぜ！的なバスでした笑
釣りビジョン ←こちらから！
YouTubeにも動画ありますよ。
そんなマックスサイズが釣れるジグ。気になりますよね。
本記事では、公式スペックだけでなく、僕がおかっぱり・ボートで実際に使って感じた「なぜタクジグなのか」をじっくりご紹介します。
目次
1. タクジグとは？ — 基本スペックとコンセプト
ノリーズ公式情報
ノリーズ公式によれば、タクジグは B.A.S.S. エリートに参戦する伊藤巧プロが、広大なアメリカフィールドで「テンポよくカバーをチェックしたい」という思いから設計されたジグです。
スリ抜け性能をベースに、スキッピング／ピッチングでの最奥アプローチ、そしてウッドカバー周辺でのジグスト操作時にも障害物へスタックしづらくする構造が盛り込まれています。
つまり、タクジグは「カバー最奥にストレスなくアクセスできる」ことを重視して設計されたラバージグです。
スペック（ウエイト・フック・ガード・スカート等）
- ウエイト：1/4oz、3/8oz、1/2oz の 3 サイズ（ただし現時点では 3/8 と 1/2 がリリース中）
- フック：すべて 3/0（リューギ特注、TC コート仕様）
- ガード：寝かせ気味に立ち上げる構造。ガード力を確保しながら、硬すぎず柔軟性を持たせた設計
- ヘッド形状：オリジナルの“2本のストリームライン”デザイン
- スカート：フォールスピード・スイミングバランス・シルエットを最適化。クロー系～ベイト系といったバリエーションあり
こうした仕様を見ると、タクジグはただ「強いジグ」ではなく、「操作性・汎用性・安心感」を重視した設計であるというのが伝わってきます。
そして特徴的なストリームラインはすり抜けやすくするための導線のようです。
2. “他との違い”を実釣で感じた点
スリ抜け力と根がかりコントロール
僕が最初に「これは違う」と感じたのは、立木・枝など密なカバーの最奥に投げたときの“抜け”の良さです。
ジグを枝にひっかけてシェイク → 枝からヒュッと外す → またカバーに絡めて誘う。
この操作を、他のラバージグではかなり気を使いながらやっていたのが、タクジグでは自然にできます。
ロストのリスクが下がることで、テンポを崩さずに探り続けられることは大きな強みです。
ガード設計とフッキング性能
多くのラバージグはガードを硬めにすることで根がかり軽減を図りますが、それだと甘いバイトを拾えないことがあります。
タクジグのガードは寝かせ気味の立て方で、硬すぎず、なおかつ支えとなる設計。
実際はじめて触ったときも絶妙な硬さに関心しました笑
加えてリューギ特注フック（TC コート仕様）が刺さりを後押し。
実釣でも、小さめの魚でもバイトの抜けが少なく、しっかり刺さる印象を受けました。
さらにTCコートの副産物として、フック交換のできないジグにとってネックでもあったサビも防止できます。
ヘビーカバーにおける安心感
かかりを良くしたいならジグじゃなくてもカバーを釣るリグはあるよね。と思いますよね。
もちろん、その通りです。
しかし、ジグであるからこそのメリットがあるのです。
それはデカい魚が釣れること。もちろん小さい魚もつれますが、ラバージグはデカい魚の好物です。
カニのようなフレアしたラバーに爪。栄養価の高い生き物にビッグバイト。大きいからこそ躊躇なくバイトするイメージ。
これだけではありません。
もうひとつのメリットは、タックルです。
ラバージグのタックルはヘビー。ラインも16ポンドから組むことがおおいため、カバーにまかれても取れる確率が格段に上がります。
この特性に、フッキングのが良く、根掛かりもしずらいタクジグが非常に生きてくるわけです。
根掛かり・ロストが少ないゆえのリズム
このスルッと抜ける感覚、根がかりを恐れずに投げ続けられる安心感こそが、他のジグにはない武器だと感じます。
実際、「カバーを早く丁寧に釣る」釣りができる回数が増えました。
カバーフィッシングにおいて一番と言ってもいい敵は引っ掛かり。
たとえ針が刺さってなくともスタックしたり、糸が巻いたりしてリズムが悪くなるゆえに回収でスポットを潰してしまいます。
間違いなく釣果に影響すること。それをデカい魚を狙いながらリズムを崩さず釣りできるのが最大の特徴と改めて感じました。
3. トレーラーセッティングとチューニング
タクジグおすすめトレーラー
私のおすすめは “ビッグエスケープツイン” をセットするスタイル。
ただし、そのまま使うと動きが重くなったりバランスを崩しかねないので、セッティングを工夫しています。
田辺哲男さんは「エスケープフラッグツインマグナム」を合わせて使っていますよね。現在はまだ発売していませんが、非常に楽しみです。
ではセッティングをご紹介します。
大きく分けて2種類。ざっくりシャロー・ディープで使い分けしています。
シャロー・ジグスト用セッティング
- 頭を 一節カット
→ こうすることで、頭が太くなりジグとの収まりがよくなり身切れを抑えられる。
フックポイントがワームのクビレ(動点)に近づくため動きがよくなり、フッキングも向上します。
- 前足 2 本をカット
→ 前足が4本あるとおもいますが、その一番前の2本をカット。これにより、ラバーのフレア動作を妨げる部分をカットでき、後足を残すことで抵抗を持たせ、フォールをゆるめに誘えるようにもなります。さらに後ろ足がちょうどラバーと同じ長さの位置になるためジグに太いラバーが2本追加されたようなイメージになります。
このセッティングにより、シャローカバーはもちろん、ジグストにも良くなりますのでぜひ試してみてください。
ディープ用セッティング
- 頭を一節カット
シャローセッティングと同じ理由です。
- 前足をすべてカット
→ フォール速度を上げ、姿勢を安定させるのが狙い。
ディープに落とすまでの時間と姿勢。フットボール形状ではないためフォール時にまっすぐ落ちづらく、狙ったところに入らなくなります。
抵抗となる前足をカットすることでジグの頭付近の抵抗を減らし、ジグの後方では爪が抵抗となりまっすぐ落ちてくれるのです。
大げさに言うと気球ですね。
さらにディープでのルアーの抵抗はシャローよりも大きく、感度・操作性に大きく影響してしまいます。
たった4本のパーツですが、これだけでも抵抗を減らしてくれるため感度・操作性が上がり、繊細にもパワフルなディープでのジグゲームが展開できます。
ジグをディープに落とすならフットボールでもいいですが、やはりストラクチャーが点在するエリアではタクジグに軍配があがります。
立木などのストラクチャーについていますし、絡めないとバイトしない魚もいるという事実もあります。
ぜひ、ディープでのタクジグも試してみてください。
カバージグなのでヘビーカバーを釣ることもあり、ビッグエスケープのような大きめのトレーラーだとカバーに入らないことが。
カバーにしっかり入れて釣りたいときは短めで大きい爪のないワームを選ぶとスルッとカバーに入ってくれますよ。
チューニングの補足
ご紹介したセッティングの使うべき状況は一部です。
1/2ozでもシャローを釣りますし、3/8ozでゆっくり落としていくと好反応ということもあります。
カバーの濃さ、早さや誘い方、フィールドの特性によって様々な使い分けを実践してみてくださいね。
4. 実釣インプレッション（四国リザーバー・ため池で使ってみて）
カバーの奥を撃った体験談
リザーバーのごみ溜まり・チップのカバーとため池の濃いウィードカバーにタクジグを使ってみました。
カバーが薄ければ3/8ozから。濃くてジグが落ちないときは1/2ozとまず状況判断。
カバーにおとしてカバー直下でシェイク。だんだん落としてみたりして回収。
やはり回収時の引っ掛かりのなさが抜群にいい。ボートでの使用感は文句無し。
さらに絡みやすいウィードにも落とす。
これがまたウィードを拾うことなくスルッと抜けてくれる。
こんな濃いウィードの奥側でもなんらストレスなく釣ることができ、正直おどろきました。
オカッパリでキャストするとジグとロッドの角度がつきやすいため引っかかりやすくなるのが当たり前。
そんなウィークポイントも補ってくれました。
今のところロストゼロです。
フリーリグのほうが釣れる？
突然ですが、フリーリグ良く釣れますよね。
様々なシチュエーションで使えて万能。それでいてワームがフリー状態になるためナチュラルに誘える。
先程ご紹介したディープでの釣りがまさにうってつけでは？と思いますよね。
実際、よく釣れているリグではあります。
しかし、上記でもお話したように、ジグならではのメリットがあり、フリーリグのデメリットがあるのです。
それがラインの太さ。
フリーリグはフリー状態にしてなんぼのリグ。ラインを太くするとフォールも悪くなり、フリー状態が確保しづらいため不利になります。
14ポンドラインで同じようなエリアで釣りをしたとき、高確率で巻かれてしまうのです…
ラインの太さ以外にも原因はあり、フリー状態になるからこそバイトに気づきにくくなる。そのため気づいたときには枝にクルクル…
タックルもジグタックルより弱いため、魚をキャッチできにくいのです。
対してジグはヘビータックルに太いライン。
巻かれかけてもタクジグ・ジグタックルだからこそ取れた魚がこちら↓
これがディープでフットボールでもなく、フリーリグでもなく、タクジグを使う理由です。
タクジグのタックル
カバージグであるため、推奨はHクラスのロッドです。
私はおかっぱりでロードランナーLTT680MHで3/8ozタクジグも使ったりシますが、やはりHが安心ですし、キャストしてからのフッキングも決まります。
- ロッド：ヘビー～エクストラヘビー帯域
- ライン：基本はフロロ16lb。状況に応じて 20lb～25lb もアリ
- リール：ハイギア以上。
参考に田辺さんのタックル↓
- ロッド：ロードランナー ストラクチャーNXS STN720H
- ライン：シーガーR18フロロリミテッド 20lb
- リール：メタニウム（おそらくXG）
ウエイト別使い分け
基本的には以下のようなイメージでok
- 1/4oz：浅場・軽めカバー、小規模フィールド
- 3/8oz：標準的なカバー・浅いエリア
- 1/2oz：超ヘビーカバー、深いエリア
これを軸に応用でスピードやトレーラーとの相性など探してみてください。
おかっぱり・ ボートでの使い方
- おかっぱり：1/4oz～3/8oz を主体に使用
足元のカバーなどを中心に、ジグストでサーチやズル引き。濁りがはいったエリア、インレットなど。1/4ozがでれば幅が広がりますね。 - ボート／リザーバー：立木・沈みモノ、フローティングカバーで3/8oz～1/2ozをメインに使用。
ご紹介した使い分けで釣る。ジグストもかなりok。
トレーラー調整で広がる応用
トレーラーを変えることで、フォール速度・アクション・バランスを調整可能。
ベイトフィッシュ系・ギル系など使ってみる。
ギル系ならグライドフォールしたり、アレンジをきかせて反応を見るのも面白いです。
これにより、いろんなフィールド状況・魚のレンジに対応できるようになります。
カラーバリエーション
主にクロー系の色がメイン。アメリカでの使用が考えられているため濁りに強いカラー。カバーの中で強いカラーが多いですね。
ちなみにリザーバーで釣ったカラーはダッピ。
早明浦ダムは透明度がかなり高く水深6～8mぐらいは見えるほど。
クリアだから薄い色といわけでもなく、おすすめはジグは茶系・緑系でトレーラーを薄め。
ビッグエスケープツインでおすすめは、ゴマエビとリザーバーシュリンプ。クリアウォーターで抜群にいいです。
トレーラーとのカラーバランスも重要になってきます。好みのセットを見つけてみてください。
ノリーズ公式 こちらからカラーをチェック。
まとめ
タクジグは、従来のラバージグの「根がかり」と「フッキング性能」のジレンマをうまく回避しつつ、高いスリ抜け性能と信頼できる刺さりを両立した非常に魅力的なカバージグだと思います。
特に、これからラバージグを始めたい初心者〜中級者にも、扱いやすさという点でおすすめできるモデルです。
まずは 3/8oz モデル から使ってみて、トレーラーのチューニングや使い分けを楽しんでほしいです。
今後のマグナムフラッグツインにも期待しつつ、タクジグのポテンシャルを引き出していきましょう。
ぜひ、このジグを手に取って、一度試してみてほしいです。
ジグゲームで記憶に残る最高の魚をキャッチしましょう！